【8】その他の形式の人形 Other Type Puppets

藤原玄洋(日本ウニマ事務局)

(1) 指人形
 (A、B図)

 指先に小さな筒状の人形を差して動かす。                        

 単純で小さな人形だから、特別の舞台もいらないし、ごく小人数の集まりでもできる、    
 手袋の五本の指先全部にひよこの頭をつけ、五羽のひよこを一度に動かすような人形もできる。
 また五人家族の人形を五本指にはめて、歌をうたったりすることもできる。         

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(2) びん人形
 (C図)

 太いものや細長いものなど、いろいろの空びんを用いて、テーブルの上に並べながら人形劇を
 やることができる。このびん人形は、びんの重さが手にしっくりするので扱いやすい。   

sonota.gif

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(3) 影絵人形 Shadow Puppet
【追加:執筆中】

 影絵人形は、演出技法上の分類で、人形の構造でいえば、棒つかい人形の一種となる。     

 厚紙や、伝統的には動物の薄い革で作った人形が使われる。光を透過する白いスクリーンを貼り、
 観客席の反対側で人形に光をあてて、その影によって演じる人形劇である。厚紙に穴をあけて光を
 通す色の付いたシート(プラステート、ゼラチン、セロファンなど)を貼ったり、革を染料で  
 そめて油を塗って光が通るようにした人形では、カラーの影絵劇ができる。          

 日本では、色鮮やかに特異な発達をした反面、人形の動きの乏しいものとなった。美しい色と  
 情景で、お話を見せるものになった。                           

 しかし、もともとのアジアの影絵人形たちの演技は、もっと力強くアクティブなものである。  
 画面の美しさを競うためには、機材や技術がたくさん必要となるので、もっと動きに注目した  
 影絵人劇を作ってみるとよいだろう。                           

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(4) 腹話術人形 ventriloquizm
【追加:執筆中】

(5) 黒の劇場 Black Theater
 最も新しい演出技法で、1950年代末にチェコスロバキアの若い人形劇グルーブによって開発 
 され、急速に発展した。                                 

    
 舞台の背景を完全に黒バックにし、操者は黒い衣装(黒衣:くろこ、くろご)を着用する。   
 会場を暗闇にして、光が入らないようにする。                       
 スポットライトで人形にだけ光があたるようにして、暗闇の舞台の中で人形だけを浮かび    
 上がらせて、後ろにいる操者は見せない、人形だけを見せる方法と、人形を螢光塗料で着色し、 
 紫外線のみ出る特殊な螢光灯(ブラック・ライト)で舞台全体を照らし、人形だけを光らせる方法
 との2種類がある。                                   
 後者の方は、ブラック・ライトさえあれば、比較的容易にやれる方法である。         
 この技法は暗闇の中で、人形操者を感じさせないで、人形だけのファンタスティックな舞台を  
 つくることができる。                                  

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(6) 出づかい
 文楽では操者が黒衣をつけないで、顔や姿を観客に見せて人形をつかうことを、”出づかい” 
 というが、現代人形劇では新しい演出法の名称である。                  
 ケコミ幕(人形操者をかくし、人形にとって地面になる、つい立て状の基本的な人形劇の舞台)の
 上に操者の半身を見せたままで人形を操作する、あるいは全くケコミ幕を張ることなしに操者の
 全身を見せて、人形をつかうことにより、かえって人形の動きを操者自身の動きによって、演技
 表現を増幅拡大するという新しい技法でもある。                     
 今日では各種の構造の人形が単独でつかわれるよりも、いろいろな構造の人形が同じ舞台でつか
 われることが普通である。さらに人間俳優あるいは仮面をつけた俳優と人形が一つの人形劇世界
 をつくる上演形態もめずらしくないが、これも出づかいの技法をつかうことにより、さまざまな
 表現が可能になる、                                  


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