1.棒人形:Marrot

藤原玄洋(日本ウニマ事務局)

 棒状の人形で、その上部が首(かしら:人形の頭部のこと)になっている。棒の下部を 
直接持って操作する。                               
 もっとも単純な構造の人形だが、近年ヨーロッパや日本において、その単純さを生かした
現代的表現を、再発見する創造が新しい傾向としてみられる。構造が単純のために、とかく
軽視されがちであるが、教育的意味からも低い年齢層を対象とする場合、棒人形による人形
劇はもっと重視されてよいと思う。
                      

Marrot.gif

(1) いろいろな棒人形

 テルテル坊主のようにして作った人形や、ペーパークラフトで作った人形に、棒をつければ 
棒人形になる。また既製のオモチャやぬいぐるみの人形に、棒をつけたものでもかまわない。 
また画用紙に絵をかいたものに、割りバシをつけた<立絵人形>もある。          
 いずれにしてもこれらの人形は、簡単にしかも短時間に作ることができるので、いろいろ  
応用できる。例えば、雨になって降ってきた一滴の水が、さまざまな旅の末に再び雲になって、
雨になるというショート・ストーリーを作って、授業の中でも生かすことができる。絵本の  
読み聞かせに生かしてもいいだろう。                          
 また大げさな準備をしなくてもできるので、いくつかのグループにわかれて話合い、即座  
に人形劇をつくって発表させることもできる。
                  

(2) 構造の単純さは劇的表現にもプラス

 人形劇の創作活動をみていると、人形を作るのに時間と精力のほとんどをそそいでしまい、
人形を実際につかっての練習は一夜漬けに近いことがよくある。指導者の力不足ということも
あるが、むしろ全体の時間の配分を考えて、作った人形でどんな人形劇の世界を創り出すかを
考えたり、練習する時間を充分確保すべきだろう。                   
 最初はできるだけ簡便な人形で、いろいろやってみることの方が大切だ。人形を動かして 
楽しむということにこそ重点をおくべきだろう。                    
 ”人形”による”劇”が、人形劇なのだから、人形を作ることはもちろん大切なことだが、
”劇”づくりの方にも充分力をそそぐべきであろう。                  


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